全朝教ブックレット4『在日朝鮮人教育入門I』

全朝教会長である藤原史朗氏の文字通りの「実践的在日朝鮮人教育論」である。一担任としての実践の積みあげの中から紡ぎだされてきた理論には、人をうなずかせるものがある。

「実践的在日韓国・朝鮮人教育論」「ともに人間になろう」「続・生徒がチョゴリを着るとき」の3章で構成されている。

なぜ筆者が在日朝鮮人教育にこだわるのかということが、自らの「恥」をも含めて赤裸々に書かれている。自らを徹底してさらけだすことから、生徒との本音のつきあいがはじまるのだ。  「一人一人の子どもに徹底してかかわる」と言うのはやさしいが、実際に行うのはむずかしい。「言葉がこれほど安らぎを与えるものだとは知りませんでした」という趙信幸の感想をひきだした筆者のきめこまかいホームルーム運営が光る。

在日朝鮮人教育が、在日朝鮮人に対する教育ではなく、まわりにいる絶対多数の日本人に対する教育であることがよくわかる書である。

<もくじ>

1、実践的在日韓国・朝鮮人教育論
(1)何故在日韓国・朝鮮人生徒にかかわるのか
(2)二人の朴君との出会い
(3)生徒との出会いと別れ
(4)新たな出会い 市立尼崎高校へ
(5)人権の獲得を求めて
(6)すべては、人権学習特設ホームルームの展開からはじまる
2、ともに人間になろう
3、続・生徒がチョゴリを着るとき

A5判 116ページ
頒価 700円

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全朝教ブックレット3『在日のオモニはいま』

『在日のオモニはいま』には、兵庫・東京・奈良・京都・広島のオモニ7人と福岡のハルモニ1人が、文章を寄せています。

「私たちは、『集まる』ことによって力をあわせ、外へ働きかけていこうとしています。子どもたちによりよい教育が保障されるようにと、学校へ、地域へ働きかけていくつもりです」という京都の康玲子さんの言葉に示されるように、全国各地で在日の「保護者の会」が結成されてきています。

そして、「保護者の会」に励まされる形で、教職員が教育現場で具体的なとりくみをはじめつつあります。しかし、いま求められているのは、日本の学校の教職員自身による主体的なとりくみではないでしょうか。その際に、本書によって在日のオモニの具体的な教育にかける「思い」を知ることから、現場での実践がはじまっていくのではないかと思います。

「皆が何の不安もなく、本名で生きていける社会。そんな社会をめざして、多くの人々が頑張っている。それを思うだけで、胸が熱くなり、力がわいてくる。私もなろう、そんな一人に」という李美葉さんの言葉が印象に残りました。

<もくじ>

1、はじめに
2、出会うこと、ふれあうことで、何かが変わっていく
3、チマ・チョゴリ切り裂き事件と「すっとこどっこい」
4、砂漠の中を歩いてきて
5、地道な外国人教育のとりくみを
6、娘や息子とともに
7、強制連行の歴史
8、おわりに

A5判 102ページ
頒価 700円

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全朝教ブックレット2『在日の高校生はいま』

全朝教ブックレット2『在日の高校生はいま』は、全国(福岡・広島・大阪・京都・兵庫・奈良・東京・神奈川)の在日朝鮮人高校生14人の作文で構成されています。

「日本の学校に在籍する在日朝鮮人高校生の思いを、私たちはどれほど知っているでしょうか。在日の高校生たちの『心の叫び』ともいうべき『思い』をまず知ることからはじめたいと考えます」と本書の「はじめに」にありますが、文字通り在日の高校生の『心の叫び』が伝わってくる書です。住んでいる場所が違っても、通っている学校が違っても、在日の高校生に共通する「思い」があることがよくわかります。在日の高校生の作文を通して、日本社会の差別構造が見えてくる書です。

「私のこれからは、キム・ユンミで生活しながら、『3年前の私』のような在日との出会いを求め、そんな子らにかかわり、つながり、ささえ、はげまし、あたりまえに在日としてともに生きていけるよう、ともに頑張りたいと思います。『一人じゃないねんで、いっしょにガンバロウ』」という兵庫の高校生の言葉が印象に残ります。

A5判 104ページ

頒価 700円

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全朝教ブックレット1『多文化教育と在日朝鮮人教育』

全朝教ブックレット①『多文化教育と在日朝鮮人教育』では、いま話題の多文化教育について、詳しく、しかも平易に紹介されています。この間、大阪を中心にして、解放教育の中で多文化教育が語られてきましたが、本書では、在日朝鮮人教育がもつ現在の課題を、多文化教育の視点から浮き彫りにしていきます。著者の中島智子さんは、「在日韓国・朝鮮人教育を、関心ある教師だけのとりくみや特別なつけたしという理解を超えてすべての学校において普及させるためには、その構造化が真剣にはかられる必要がある」と言います。

本書の前半は、文献研究からの多文化教育の概説ですが、後半は、アメリカ東部の見学の経験から語られているので、具体的な話になっています。さらに「おわりに」では、アメリカ西部の見学の経験も加味されて、より具体的な多文化教育の像が見えてきます。

本書を読み終えて、多文化教育に対する過度の期待をしてしまいそうになる自分を抑えて、日々の実践の検証と新たなとりくみの方策を考えているところです。新鮮な視点から在日朝鮮人教育を考えさせてくれる好著であり、久しぶりに「元気」がでる書でした。

<もくじ>

1、はじめに
2、多文化教育と在日朝鮮人教育
3、多文化教育が示唆するもの
4、おわりに

A5判 94ページ
頒価 700円

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研究紀要 在日外国人教育 第2号

全国在日外国人教育研究所による「研究紀要 第2号」です。
創刊号に引き続き、豊かな教育実践に裏づけられた論文・エッセイや、最新の問題意識で書かれた論文などが掲載されています。なかでも、全国研究集会第1回~第30回レポート一覧は必見です。
第2号目次

巻頭言に代えて -南果歩のカミングアウトに寄せて- 全国在日外国人教育研究所長・藤原史朗
「韓流」と「拉致」に狭撃される「在日」 呉 徳 洙
一九一〇年と石川啄木 -「大逆事件」「韓国併合」百年- 全国在日外国人教育研究協議会副会長 金井英樹
竹中彰元・反戦と仏教 正木峯夫
「田母神論文」を検証する 尹 達 世
「ピースボート」なかなかユニークな船旅でした 松谷 操
わたしの朝文研 藤川正夫
研究ノート(2)もっと夜間中学のことを知ってほしい 吉川 弘
子どもたちのアイデンティティ確立をどう支援するか 小西和治
第1回~第30回 全国研究集会レポート一覧 全外教研究所

A5判 136ページ
頒価 600円

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研究紀要 在日外国人教育 創刊号

全国在日外国人教育研究所による「研究紀要」です。
この紀要には、豊かな実践に裏づけられたものや、新しい観点でとりくまれたものなど、過去と現在を結ぶさまざまな論文が収録されています。

創刊号目次

在日外国人教育研究誌創刊に際して 全国在日外国人教育研究所長・藤原史朗
被爆者はどこにいても被爆者 ―在外被爆者裁判を支援しつづけて― 韓国の原爆被害者を救援する市民の会広島支部長・豊永恵三郎
研究ノート(1) 夜間中学と在日外国人 全国在日外国人教育研究所事務局長・吉川 弘
仏教界の差別雑感 正木峯夫
震災復興10年・外国人教育10年の歩み 第10回兵庫県在日外国人教育研究集会第5分科会(特別分科会 パネルディスカッション)
パネラー 藤原史朗(市立尼崎高校教員「全国在日外国人教育研究協議会」前代表)
神谷重章(県立松陽高校教員)
マリナ・アキズキ・マツバラ(「関西ブラジルコミュニティ」代表)
金 信 金庸(「神戸在日コリアン保護者の会」代表)
コーディネーター 石塚 健(県立西宮高校元教員)
日韓交流の要 -韓国私立南旨高校と日本国尼崎市立尼崎高校との今後の交流の在り方への提言- 市立尼崎高校再任用教員・藤原史朗
外国から来た生徒の学習上の困難 ―「家庭科」の学習支援を通して― 東京大学大学院・趙衛国

A5判 112ページ
頒価 600円

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