全朝教事務局長である金井英樹氏の在日朝鮮人教育に関する現状と課題の分析は、鋭い。教室や学校の中にいる一人の在日朝鮮人生徒と徹底してかかわることとともに、教職員がもたなければならないマクロな視点が提起されている。
「在日をともに生きるために-在日朝鮮人教育の現状と課題-」「教職員自身が確かな歴史認識を」「福沢諭吉をめぐって-『脱亜論』にいたるまで-」の3章で構成されている。
「多くの日本人がとらわれている歪められた朝鮮人観と自民族中心主義を克服するためには、異なる文化との豊かな出会いや出会い直しが必要であり、確かな歴史認識が求められている」という。
「私たちが本当にともに生きると言うのであれば、開かれた日本社会になる必要があります。差別と排外を克服し、同化と抑圧をなくす、そんな日本社会にしていく、そのことが実は、日本人自身にとっても、生きやすい日本社会になるというふうに私たちは信じています」という筆者の言葉を実現するために、教育現場での在日朝鮮人教育の一層の広がりと深まりを期したい。
<もくじ>
1、はじめに
2、在日をともに生きるために -在日朝鮮人の現状と課題-
3、教職員自身が確かな歴史認識を
4、福沢諭吉をめぐって -「脱亜論」にいたるまで-
A5判 101ページ
頒価 700円