全外教の名称について
Last modified: 2010年2月10日新たなるとりくみのスタートを ―全朝教(全外教)から全外教へ―
事務局長 寺井秀登
本年5月12日、2002年度全朝教(全外教)総会を三重県教育文化会館にて開催致しました。今総会では、2001年度活動経 過報告・2001年度会計決算報告並びに監査報告・会則一部改正の件・新規構成団体加入の件・全国運営委員承認並びに2002年度役員の承認・事務局員の 委嘱・2002年度事業計画承認の件・2002年度予算について提案し、審議・承認いただき2002年度事業をスタートさせました。とりわけ、第3号議案の会則一部改正の件では、5年間におよび組織内外から多数ご意見をいただいてきた組織名称の改名について、組織の新たなるスタートとしての決意が込められたものとなりました。
結成からの歴史を簡単に振り返ると、1979年12名の呼びかけにより「在日朝鮮人教育研究全国協議会準備会」が結成され、大阪部落解放 センターにおいて、各地でとりくまれている在日朝鮮人教育実践を交流することを中心とした教育研究全国集会を開催し、歩みをスタートしました。そして、こ うした教育研究運動を発展させるべく1983年、大阪部落解放センターにおいて「全国在日朝鮮人教育研究協議会【略称、全朝教】」が結成されたのです。結 成以来、日本社会の排外と差別、同化と抑圧を克服する教育実践の創造を目的としてとりくみをすすめてきました。
また、1990年の入管法改正にともなう「新渡日」者の増加と新たな教育課題の提起によって1992年度に開催した、第13回全国在日 朝鮮人教育研究集会・東京大会において「民族共生の教育をめざして」と題した分科会を設置し、「新渡日」の子どもたちの教育課題を明らかにし、課題克服に 向けたとりくみが論議されてきました。その後、全国運営委員会の論議を経て1997年第18回奈良大会を機に組織名称を「全国在日朝鮮人(外国人)教育研 究協議会【略称、全朝教(全外教)】」、研究集会名を「全国在日朝鮮人(外国人)教育研究集会」として今日まで回を重ねてきました。この間、括弧付き組織 名称と研究集会名を組織名称改名への期間と位置づけ、組織内外から多くのご意見をいただいてきました。
そして、5年間という長きにわたる論議期間を経て、2002年度総会において「全国在日外国人教育研究協議会【略称・全外教】」として 会則改正を承認いただき、10月1日をもって改名いたします。これまで日本社会の排外と差別、同化と抑圧を克服する教育実践を創造し、多文化共生の教育を 確立することを目的に「多文化共生と本名(民族名)を呼び名のるとりくみをすすめよう」「子どもたちや教職員・地域がどう変わったかを明らかにしよう」と した共通の討議課題のもと、実践交流や情報交換をしてきました。こうしたとりくみは、今後も変わることなく、結成以来大切にしてきた目的や討議課題、基本 方針に則り活動することも確認されました。
さらに、2002年度新規構成団体として熊本からの組織加入が承認されました。「強制収容」問題を考え、子どもの学びと発達を守る熊本 の会として加入された運営委員から、この間のとりくみの報告と支援への感謝、そしてさらなる連帯が報告されました。総会出席者から歓迎とさらなる連帯の意 を込めた拍手が送られていました。
私たちは、全外教として新たなるとりくみをスタートします。単に組織名称が変わっただけでは山積する教育課題を克服することにはなりま せん。組織そのもののあり方、事業そのもののあり方を改革し、全外教の克服すべき課題の道筋を明らかにしていくことが必要です。全外教として真に多文化共 生社会実現に向けたとりくみを展開していきたいと考えます。そのためにも皆さんからのご意見を多数寄せていただきたいと考えています。
「全朝教通信第78号」より