近年、県内でも外国人が急増し、その子どもたちが県内の保育・教育機関に多数在籍するようになりました。それにともない、1997年度から支部の研究会や滋賀県同和教育研究大会で、各地域から言葉や生活習慣のことなる子どもたちについての実態や教育課題が報告されてきました。
研究大会後の分科会総括を経て、在日外国人の子どもにかかわる現状と課題を調査研究し、保育・教育に還元する必要性を確認しました。また、在日韓国・朝鮮人の子どもは、急増している外国人の子どもたちと、来日するにいたった歴史的・社会的・政治的背景が異なり、課題も異なる点があることから、2つにわけて同時に調査することに決定しました。
1997年度には、奈良県同和教育研究会が実施しているアンケートをもとに調査の素案を作成し、翌年には、県内の学校で先駆的にとりくまれている方からの助言をもとに数校で先行調査をおこない、調査内容や実施方法の検討をすすめてきました。
滋同教理事会では、1999年度から実施に向けての論議に入り、2000年5月の定期総会で調査の実施と、「在日外国人の子どもにかかわるプロジェクト」の発足が決まりました。
なお、「プロジェクト」では、「これまでの学校園所におけるとりくみや課題、『在日韓国・朝鮮人児童生徒に関する指導指針』をもとに、在日外国人の子どもや保護者の願いに応えられる保育・教育の実践へと結びつけていきたい」という思いのなかで、調査実施要項等を作成し、実施しました。
本調査は、「調査用紙A:在日韓国・朝鮮人の子どもの保育・教育にかかわる調査」、「調査用紙B:在日外国人(在日韓国・朝鮮人以外の外国人)の子どもの保育・教育にかかわる調査」から成り立ち、質問用紙によるアンケート調査方式で実施しました。調査期間は、2001年2月1日~2001年2月28日の1ヶ月間で、配布・回収ともすべて郵送でおこないました。
調査対象は、県内の保育所・幼稚園・小学校・中学校・高等学校・障害児教育諸学校・各種学校・専修学校等の保育・教育機関で、各種学校・専修学校等については、滋同教高等学校連絡協議会加盟校としました。なお実施に際しては、「調査対象の学校園所が、現在把握している範囲で記入されること」を依頼状と質問用紙に記するとともに、回答用紙は学校園所名の記入欄を設けず「属性」のみとしました。