ビデオ版「在日」

この映画『戦後在日50年史[在日]は解放から50年に及ぶ在日の歴史を映像化すべく企画された。いちはやく「映画製作委員会」が結成され、制作費はすべて有志による貴重なカンパで賄われた。
製作に2年あまりを費やしたこの映画のロケは北は青森、秋田から南は九州の佐賀、福岡、そして下関、広島、神戸、福井、長野にも及んだ。さらにキャメラは海外にも渡った。韓国はソウルでの「光復50周年祝賀式典」を活写し、急遽その足でワシントンDCに飛び、戦後史資料の宝庫といわれるアメリカ国立公文書館での貴重な資料撮影を敢行した。また、解放直後の在日朝鮮人の動向に深くかかわった元GHQ担当者たちの証言などをキャメラは執拗に追う。そこから戦後の冷戦構造と南北「祖国」によって翻弄される在日像をあぶり出し、、併せて「戦後の在日朝鮮人運動と日本の超国家主義」にまで肉迫する。
また、この映画では在日の一世、二世、三世を象徴する人物をドキュメントしている。80才を越えてなお、景品交換所を営み、波乱の戦後を生き抜いてきた済州島出身のハルモニ・鄭秉春。祖国「韓国」と出身地「秋田」双方を「ふたつの祖国(ふるさと)」と慈しむ河正男、歌「清河への道」で自らの在日の彷徨と軌跡を見事に表現した新井英一、この二人は共にこの地で生を受けた在日二世である。さらに、テレビ局の報道キャメラマンとして現場を駆けまわる玄昶日、陸上十種競技でオリンピック出場に希望を馳せる金尚龍、「にあんちゃん」の作者・安本末子の娘で、海外での農業を志す李玲子は母の故郷・大鶴炭坑跡を訪ねる。彼等はみな次代をになう在日三世である。
この映画[在日]は戦後50年のさまざまな事象を描写しながら、「在日の軌跡」を映像化するという壮大な試みに、初めて真正面から挑戦した作品である。
製作 映画『戦後在日50年史』製作委員会
価格 2巻セット(前半歴史編 135分・後半人物編 123分・パンフレットつき)
20,000円(個人使用)・50,000円(ライブラリ使用)



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