京都府立城陽高等学校編 『被差別部落の歴史 -新しい部落史の見方・考え方-』改訂版

近年、部落史において、従来の「近世政治起源説」にたいして「部落史の見直し」が奈良・大阪・京都をはじめ、全国で徐々におこなわれつつある。しかし、まだまだ研究者レベルでのもので、具体的にどう生徒に教えればいいのか、現場の教員にとまどいがあることも事実である。また、「部落史の見直し」は、ひとつ「部落の歴史」を見直すにとどまらず、「日本の歴史の見直し」のなかに位置づけられている。そうしたなかで、2002年度から、中学校の歴史教科書の記述も大きく変わろうとしている。
こうした流れの中で、京都府の公立高校では「新しい部落史」の教材化をすすめてきた。そして、その一つの結果といえるものが、本書『被差別部落の歴史 -新しい部落史の見方・考え方-』である。中世の被差別民の起こりからはじまり、近世の被差別民の姿、それをとりまくまわりのまなざし、近・現代における部落差別の社会問題化と部落差別撤廃へむけた闘いの歴史を、A4版に32ページにコンパクトにわかりやすくまとめてある。部落史学習のテキストとして最適の書と言えよう。

A4判 32ページ
頒価300円



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