奈良県外国人教育研究会編『オッケトンム -強制労働編-』

戦後半世紀がたった今も、全国各地に戦争の傷痕が残されている。しかしながら、それが次の世代にまで語り継がれているとは限らない。むしろ、隠されたままで、地元の人も知らないままに放置されていることさえ数多くある。そのような歴史の闇に埋もれていた強制連行・強制労働の歴史を発掘して、子どもたちに伝えるために教材化を試みたものが本書である。
好評の『オッケトンム』シリーズの一冊として刊行された本書は、大きく二つの部分から構成されている。一つは、戦争末期に海軍飛行場建設にかりだされた朝鮮人労働者の歴史をあきらかにして、強制連行・強制労働の実態を具体的にあげながら、子どもたちに「歴史をわすれないで」と訴えている。
もう一つは、地下要塞の建設にかりだされた朝鮮人兵士の歴史をもとに、子どもたちが追体験できるように劇化したシナリオを主として、史実の関連資料が収められている。この劇はすでに子どもたちによって何回か、実際に上演され、好評をはくしたという。それぞれの現場で、忘れてはならない歴史として「心にきざむべき」事実の教材である。

B5判 59ページ
頒価 700円



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