本書は、全朝教京都によって編集された、在日朝鮮人問題についての入門書である。とっつきやすくわかりやすいということと、京都にこだわってみようということを編集の軸におき、全編を通じて、この意図が貫かれている。
第1部「在日のいま」では、マンガや生徒の作文を交えながら、在日朝鮮人が成長する過程で体験するさまざまな出来事を解説している。ここに収録されている作文は、すべて京都の児童・生徒たちの作文である。
第2部「京都の学校や地域ではいま」では、京都での小中高校のとりくみや、夜間中学・オモニ学校でのとりくみが、紹介されている。
第3部「京都の中の朝鮮文化とたたかいの歴史」では、京都をかたちづくった渡来人のことや、強制連行のこと、そして、現在のこととして、在日朝鮮人の集住地である、東九条やウトロのことについて、ふれられている。
第4部「在日の人々の生活」では、簡単に生活を紹介するほか、東九条マダンについてもふれられている。
本書は、京都における状況を、幅広く紹介しているが、同時にそれは、日本の状況でもある。その意味で、本書は、在日朝鮮人問題や教育に関心をもった人が、最初に出会う本として、最適の本といえよう。
A5判 150ページ
頒価 1000円