どちらかというと、解説的な要素が強かった前書『在日のいま-京都発-』にたいして、本書『在日のいま-京都発-PARTII』は、作文をとおして、自分自身で考えることを前提としている。そういう意味で、前書が、入門編であるとすれば、本書は、中級編であるといえよう。
編集後記に「『在日のいま』には、女性の視点がないんとちがう?」という言葉に触発されて、本書を編集したとあるが、その言葉のとおりに、作文はすべて女性によるものである。
「はじめに」は、全朝教京都大会の全体会で、高校生アピールをした金晶美が、自分の高校でおこなったアピールである。そして、青年・学生・オモニ・ハルモニの作文が続く。なかでも、それぞれの持ち場のなかでがんばっておられる、オモニたちの作文には、大いに教えられることがある。ぜひ一読していただきたい。
第5部「国際結婚を考える」では、四コママンガも交えながら、意外と知られていない、国際結婚の実態について、述べられている。さらに、第6部・第7部では、料理・音楽・遊びなどが、教室やクラブでできることとして、提案されている。『在日のいま』では飽きたらない人に、ぜひ一読いただきたい書である。
A5判 160ページ
頒価 1000円