NPO人権ネットワーク・ウェーブ21編『むこうにみえるはvol.4 第3回シンポジウム「人口の流入出問題から見た被差別部落のこれからのまちづくり -改進地区のまちづくりへの提案-」』

NPO人権ネットワーク・ウェーブ21は、2002年に「被差別部落の人口の流入出をどうとらえるか」というテーマで、2003年には「被差別部落のこれからを人口の流入出から考える」というテーマでシンポジウムを開催してきました。この2回のシンポジウムによって、改進地区をはじめとした多くの京都市内の被差別部落が、大幅な人口の減少、高齢化と貧困化が進行していることの現状と、なぜそうなるのかがある程度解明できたと考えています。

そして、この状態をなにもせずに放置しておけば、どのような結果を招くかを予測することもできました。その予測は、部落問題の解決にはかなり悲観的なものであり、部落解放運動や同和行政が積みあげてきた成果をも崩していくのではないかというものでありました。

2回にわたるシンポジウムを踏まえ、NPO人権ネットワーク・ウェーブ21としてはどうすべきなのかを検討してきました。その結果は、たとえ未熟であっても、私たちなりの考えをまとめ、それをもとに運動関係者、行政関係者、研究者などの方々に討議をしていただき、これからの方向性を打ち出し、とりくみをつなげていくというものでした。

幸いその思いは各関係者のご理解をいただくことができ、運動関係者、行政関係者、研究者の方々の参加をいただき、NPO人権ネットワーク・ウェーブ21の『改進地区のまちづくりへの提案』をもとにしたシンポジウム「人口の流入出門代から見た被差別部落のこれからのまちづくり」を2004年12月4日に開催することができました。このシンポジウムで、各自が持っている問題意識はある程度明らかになりましたが、それを共通認識として新たなとりくみを展開していくという方向性を打ち出すことができませんでした。

それは時間的な問題もあったと思いますが、弱者切り捨て「構造改革」が急激に進む中、政治的、施策敵制約の方が強かったからではないかと考えています。しかし歴史を逆行させるわけには生きません。このシンポジウムから得た成果を、明日に引き継いでいきたいと考えています

「発刊にあたって」より

A4判 38ページ
頒価 1000円



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