この冊子は、奈良県外国人教育研究会と奈良県に在住する外国人住民、また外国人住民をサポートするNPOの皆さんの協力によって作成されたものです。
2006年末現在、日本の外国人登録者数は208万人を超え、その人々の出身国・地域はますます多様化してきています。奈良県でも、現在11,000人を超える外国人住民が暮らしており、ダブルの子どもたちも含めると、外国にルーツをもつ子どもたちは確実に、学校園所の現場で増え続けています。
奈良県外教では、外国にルーツをもつ保護者や子どもたちが集い、出会いを創造する場として、なら国際こどもフォーラムという集まりをもっています。また、外国にルーツをもつ中高校生が集まり、自分たちのアイデンティティや進路について考える「在日外国人生徒交流会」という事業も行っています。それらの集いの場で、外国にルーツをもつ子どもたちが、互いにつながりあうことで、自分のルーツについて考え、文化や母語を大切にしながら、自分自身を獲得する営みを続けています。
「オッケトンム多文化共生編」は、そのような出会いの場で、子どもたちや保護者から紹介いただいた世界の国々の遊び、言葉、文化、またその思いなどをまとめたものです。この冊子は、その中から、ブラジル・ペルー・メキシコ・ボリビアなどを中心に「中南米の友だちとつながろう~オッケトンム多文化共生編Ⅱ~」という形で編集を行いました。就学前はもとより、小学校中学校高校のさまざまな学習形態の中で、資料としてご活用いただければと思います。
みなさんの机のとなりに座っている外国にルーツをもつ友だちとともに、また、みなさんの地域で暮らしている外国にルーツをもつ人々とともに、「ちがうことってすばらしい!」と感じることのできる多文化共生社会を実現するために、この冊子を役立てていただけることを期待しています。
編集にあたって、ご協力いただいた多くの方々、諸団体に感謝申し上げます。
「発刊にあたって」より
B5判 114ページ
頒価 1000円