メールマガジン第193号を発行しました。
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今号の巻頭言より
いつまでこんな差別を続けるのか
すでにご存じかと思いますが、10月下旬、群馬県桐生市に住む小学校6年生女児が自宅で首つり自殺しているのが発見されました。新聞報道上の父親談によると、この生徒は2008年10月に愛知県名古屋市内の小学校から転校したのち、フィリピン人である母親が授業参観に出席して以来、複数生徒からいじめを受けるようになったと言います。両親は学校側と10回以上にわたり相談したが具体的な解決策の提示はなく、中学校入学とともに転居することを考えていた矢先の自殺だったそうです。報道はさらに、学校長はいまだにいじめの認識が無く、そのことについても遺族の失望がつのる様子です。インターネットの書き込みでも、「群馬は関東地方のなかでは信じられない程閉鎖的だからこんなことが起こるのだろう」といったあきらめの声も聞こえてきます。数年前、私が暮らすまちでも同じような差別事象が発生し裁判になったのですが、当時市教委でいじめを認定した担当の方とその後お話しする機会がありました。彼がそのとき語ったのは、「いじめ、民族差別の話を聞いたとき、私は悔しかったのです。子どもが子どもをその出自により差別する、これでは私たちの社会は50年前と何ら変わりが無いではありませんか。私は日本人として、こんな日本を変えたいのです。」とのことでした。私たちがすべきことはただ一つ、すべての子どもたちがいまいる場所で、十全な自己実現を達成する手助けをすること、これだけです。子どもたちの権利を保障しない大人たちに対して、私たちはこれまで以上に厳しく対応しなければならないようです。