紹介
Last modified: 2010年2月8日全外教は、全国在日外国人教育研究協議会の略称です。
1979年に第1回在日朝鮮人教育研究集会を大阪で開き、日本の学校における在日朝鮮人教育を拡げ深めるための組織化を確認し、83年に全国在日朝鮮人教育研究協議会として正式に発足し、第四回全国在日朝鮮人教育研究集会を奈良県で開催しました。
主な活動としては、教育内容を通じて、日本の子どもたちがもっている歪められた朝鮮観をただすこと、自主活動や教育課程全般を通して「本名(民族名)を呼 び、名のる」ことにとりくむこと、さらに子どもたちの進路保障を実現するために「国籍条項」をはじめとする差別の撤廃を訴えることなどをあげることができ ます。
こうしたとりくみは、80年代後半までは、在日コリアンの子どもたちと彼・彼女をとりまく日本の子どもたちを中心としたものでしたが、 急増する「新渡日」の子どもたちの教育課題も含めてとりくみをすすめ、92年に開催した第13回研究集会・東京大会では、「新渡日」の子どもたちの教育課 題を明らかにするための「民族共生の教育をめざして」と題する分科会を設けました。また、93年の第14回研究集会・京都大会では、「就学前」の分科会も 新たに設けました。
阪神・淡路大震災後の95年、第16回研究集会・兵庫大会では、全朝教ブックレットを刊行し、啓発活動にもふみだし、96年からは、全 朝教セミナーも年2回開催しています。97年、第18回研究集会・奈良大会では、分科会構成を、それまでの教育内容・自主活動・地域活動・進路保障などか ら、異なる文化との出会い・自立と連帯を求めて・世界と結ぶ・未来をひらくなどに再構成し、教育関係者以外の参加者も増えてきています。また、この奈良大 会から研究集会の名称を、全国在日朝鮮人(外国人)教育研究集会と改名しました。
99年からは、会則の改正にともない組織名称も全国在日朝鮮人(外国人)教育研究協議会・略称全朝教(全外教)と変更しました。さら に、( )付き研究集会名と組織名称は、全朝教(全外教)から全外教への移行期間とし、組織内外から多くの意見を募集し、2002年度総会において、全国 在日外国人教育研究協議会・略称全外教と改名しました。
府県外教は、各地の在日外国人教育を推進する組織で、90年の奈良県外国人教育研究会をはじめとして、92年の大阪府在日外国人教育研 究協議会、96年の兵庫県在日外国人教育研究協議会、99年の三重県在日外国人教育研究協議会、神奈川県在日外国人(多民族・多文化共生)教育連絡協議 会、鳥取県外国人教育研究会などが誕生しています。
いずれも多文化共生の教育を提起し実践されており、日本のなかの差別や排外意識を克服し、21世紀に人権文化を根付かせ、開かれた学校・社会をめざして、とりくみがすすめられています。
教材としては、奈良県外教の『オッケトンム』シリーズ(歴史・遊び・音楽・強制労働・Q&A)や、ビデオ『ともに生きるために』(指導書 付)、実践事例集『トゥンデ』(1・2、保幼・小・中・高校編)や、全朝教京都の『在日はいま―京都発―』1・2、兵庫県外教の『ともちゃんの調理ビデ オ』(全5巻)などが、つくられています。教育への提言としては、大阪府外教編の『二一世紀を展望する多文化共生教育の構想』、全国在日コリアン保護者会 編『オモニからの提言・二一世紀日本の教育へ』などがあり、いずれも貴重な示唆を与えてくれます。