メールマガジン第199号を発行しました

メールマガジン第199号を発行しました。
メルマガの購読を希望される方は全外教宛にメールを下さるか、こちらからお申し込み下さい。

今号の巻頭言より

必要な情報を理解できる言葉で伝える努力を

先日、私の勤務校の生徒が交通事故に遭い、亡くなりました。生徒のご両親は外国出身で、ご両親が病院に到達した後も警察は「不要な誤解を避けるため」として、通訳の方がいらっしゃるまでは詳しい状況説明を控えました。その間、ご家族の怒りと悲しみはさらに募ったと聞いています。先月11日以来、私たちの心は急流に流される木の葉のように、激しく動揺しています。そのなかで少しでも多くの正確な情報を得ようと努め、徐々に平静さを取り戻しつつあります。日本語が分かる人は、これができます。
二年ほど前、中部電力浜岡原発への見学ツアーに参加しました。専門家と言われる人たちから「原子炉はどんな地震でも絶対に揺れない安定地層の上に建設されているから完璧に安全です」と何度も説明されました。私は挙手し、「放射能漏れなどの緊急時、日本語が不十分な外国籍住民に対してどのように必要な情報を提供する計画なのか」と尋ねましたが、全く考えていないという返事を受けました。
相手が警察にせよ原発にせよ、無為無策を非難するのは簡単なことです。しかし私は、むしろ自己を省みることが大切だと考えます。必要な情報をできるだけ速やかに提供し、不安を取り除くことは、社会の様々な場面でそれぞれの立場の人が為すべきはずです。もちろん、外国につながる児童・生徒が在籍する教育現場でも。


Both comments and pings are currently closed.